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トラの巻

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人生上手は不動産上手。ウソかマコトかさくら管財の不動産コラム。

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この国ではこれら先20年間でなんと1,000兆円以上もの個人資産が相続財産として次の世代に引継がれると言われています。
まさに大相続時代に突入していくわけですが、そこでよく耳にするのが「相続対策」という言葉です。
普段、何気に使われている言葉ですが「相続対策」には2つの大きな目的に分かれそれは「争族対策」と「相続税対策」です。

前者の「争族」ですが、これは呼んで字のごとく遺族による遺産争いのことです。
親が亡くなる前は仲のよかった兄弟姉妹が、各々の公平感のすれ違いにより一旦導火線に火が付くと、それぞれの妻・夫まで巻き込んで「犬神家の一族」ばりの骨肉の争いに発展するケースは実際に多いようです。
例えば相続財産が親と長男が同居していた家だけしか残ってない場合なんてのは困りもんです。
兄弟が3人いる場合、長男以外の2人にどうやって財産を配分するのかという問題が出てきます。
「俺は親の面倒を見たし、長男だからこの家を守る」と言ったところで法的根拠はありませんので、リストラに会い大学に進学する子供の学費に困っている弟が「いや、家を売ってお金をよこしてくれ」と言いはじめたら話しは簡単にはいきません。
そこで対策としては伝家の宝刀「遺言書」という手段があります。
実はこれも万能ではなく相続人の間で不公平感があると遺留分の主張といった懸念がありますが、たいていの問題は解決してくれる事でしょう。

「私は一人息子だから、親の財産は総取りになるので遺言書なんて必要ありません」なんて考えている方がいると大失敗を犯す可能性があります。
不動産を相続する場合、遺言書がないと被相続人の戸籍をたどり相続人を確定する作業が必要となります。
この時に知らされてなかった事実が浮上し問題が起こる事があるのです。
父の戸籍をたどると前妻がいてその間に子供がいたなんて場合はもう大変です。
会ったこともない腹違いの兄弟に相続放棄を頼みに行かないといけません。
しかし、そんな事を快諾してくれるお人好しめったにいません。
腹違いの兄弟は「棚から牡丹餅」とばかりに喜び、あなたは「藪をつついて蛇を出した」事に心底悔やむ事になるでしょう。
やはり万全を尽くして「遺言書」を遺すことが大事であり、それがお金の「円」と絆の「縁」を傷つけない一番良い方法と思われます。

そして、後者の相続税対策ですが、これも様々な手法がありますが代表的なものとして不動産を使った節税法があります。
相続財産の算出の際、現金を残すと当然額面どおりの金額をみられますが不動産の場合、土地は路線価、建物は固定資産税評価額を基準に算出しますので、ほとんどの場合で市価より評価額が低く見られます。
また、その物件を貸している場合さらに評価が下がりますので相続税対策にアパート経営する話しはよく聞くところです。
しかし、そこには気をつけねばいけない「落とし穴」があります。
それは、アパート経営にしろマンション経営にしろそれは立派な「事業」であることです。
高額な費用で建物を建てた時から、維持・メンテナンス費用・保険代・固定資産税などのランニングコストが発生します。
また、空室対策費、不動産屋への管理料、部屋の改装費、大規模修繕費用などは海千山千の不動産業者や建築業者と上手に渡り合いながら支払っていかないといけません。
相続人がしっかりとできれば良いですが下手をすると節税金額以上に「事業」の赤字が出てしまう可能性もあるのです。
さらに気をつけないといけない「大ウソ」が「節税のために借金をして建物を建てましょう」なんて誘いです。
まず借金をしたからといって相続税の計算上得することはひとつもありません。
そして相続人にとっては「事業」という手間とコストがかかる事に加えて「利払い」という義務まで背負う状態となりますので最悪の場合「不動産はあれども一文無し」の状態に陥り苦しい生活を送らないといけなくなる可能性があるのです。

それでも借金をしてでも相続税対策をとらないとならない場合は、考え方として手間とコストのかからない「事業」と楽な「利払い」の不動産事業を考えないといけません。
ここだけの話ですがそんな虫のいい話はないようで実はあるのです。
例えば「コンビニ」です。
好立地にコンビニを建て長期契約で貸し出せばランニングコストがほとんどかかりませんし海千山千の業者に関わる手間・費用も要りません。
また、建物の費用は建築協力金で賄えば金利が節約できますし、なにより簡素なコンビニの建物なら借入金自体が少なくて済むわけです。
つまりは立派なRCの建物を建てて巨額な借入金と面倒を後世に残すより、表面利回りこそ低いものの手軽で安定した収益物件の方が相続税対策としては良策なのではと考えられるのです。

「税金対策」の名のもと、無用な出費でそれ以上の損失を被る事は、相続税だけに限らず世の中では意外に多いのではと思います。
「何もしない」事も相続対策ではありだと思いますし、親に依存する心や兄弟の諍いをなくす為に「何も遺さない」事も第3の相続対策としての選択肢かもしれません・・・
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by toranomakik | 2011-11-24 21:46