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トラの巻

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人生上手は不動産上手。ウソかマコトかさくら管財の不動産コラム。

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私を含めて、マンションをお持ちのすべての方の将来に立ちはだかる大難題が、マンション建替え問題です。
この問題、マンションが大きかろうが小さかろうが必ず到来する問題で、避けて通ることはできません。
それにもかかわらず、一般的には関心が低く、行政やマンション問題専門の団体ですら真剣に取組んでいないのです。

理由の一つとして、マンションの物理的耐用年数がはっきりしない事があります。
築後40年も経過してないマンションで建て替えをした事例がありますし、60年は大丈夫という話もよく聞きます。
日本最古のRC造集合住宅が、長崎県の軍艦島にあります。この軍艦島の一番古い建物は、100年近く経過しているそうですが、未だ倒壊しておりません。潮風をもろに受けながら何十年も放置状態であってもこの状態ですので、マンションというのは思う以上に丈夫なものなのでしょう。

しかし、物理的に大丈夫であっても、配管が使えなくなったり、設備の老朽化や機能的部分が陳腐化してくると、当然、改装・修繕費等の費用が発生してきます。
それを何から何までやってしまうと、莫大な費用になるので、いっそうのこと建替えてしまえという状況がどこのマンションでも必ず到来するのです。

問題はそこからです。
まず、お金が必要です。それもかなりの金額です。
住宅ローンを抱えた方、老後の生活を年金で細々暮らしている方、とてもではないですが余力がありません。
また、建て替えるとなると、旧建物を解体して新建物が竣工するまで、どこかで仮住まいをしないといけません。どんなに早いケースでも1年間は必要となります。そんな長い仮住まい生活、誰でも嫌です。
さらに新建物の部屋の場所を決めて置かないといけませんが、ここでも意見対立は必至です。
建替えの決議には5分の4以上の賛同が必要ですが、多様な考えや事情を抱えた何十人の人間が集まる中で、8割の票決を集める事自体が、絶望的なハードルなのです。

そうなると、どうなるのでしょう?
こんなマンションで暮らしたくないと思う方は、売却するか貸すかして、別の所に移り住むでしょう。
しかし、さらに年数が経過しますと、まともな金額では買い手も借り手もつかなくなります。
さあ、そうなったら大変です。トランプのババを抱えてしまった様な物です。
嫌々ながらでもそこで生活するならまだ良いほう。使いも収益も取れない物に対して、管理費や固定資産税を毎月、毎年支払わないといけません。
管理費を滞納する区分所有者も続出することでしょう。組合の運営にも支障が出てきます。
破格の賃料で貸し出す部屋も出てくるかもしれません。その部屋には変な輩が住み始めます。それが怖くて部屋を出て行く住民も出てきます。
そして、マンションはスラムマンションと化しました。というのが想定される最悪のシナリオなのです。

こういた事が、日本のあらゆる都市で頻発するとなると、これは大きな社会問題です。
そこで行政の出番となるのですが、考え付く手立てとしては、
1、5分の4の引き下げや買取制度等の法律改正。
2、特別融資制度の制定
3、建物解体費用の補助
4、仮住まい住宅の提供
5、優遇税制
6、容積率の緩和
この中のいくつかは阪神大震災の時にも適用された物であります。
マンションの所有者だけ優遇するのは不公平だ!という意見も当然でてきそうですが、これだけ戸数が多い事や各都市の主要部に位置している事を考えると、必ず強力な手立てが施されるのではないのでしょうか。

実は、そういう事を視野に入れながら、マンション投資をするプロ中のプロが世の中にはいるのです。

次回に続く
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by toranomakik | 2010-08-11 15:56