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トラの巻

torakoramu.exblog.jp

人生上手は不動産上手。ウソかマコトかさくら管財の不動産コラム。

第9回 或るマンションの怪

世の中では、偶然という言葉では説明のつかない摩訶不思議な出来事が時折起こるものです。
私も長年、不動産の仕事をしてきた中で、そういった事に出くわした事が幾度かあります。
今回のトラの巻きは夏休み企画として、あるマンションの怪を告白しようと思います。

福岡市内にあるそのマンションの一室の売却依頼を受けたのは、かれこれ数年前の話です。
2階に位置するそのマンションの部屋は、特殊な事情を抱えており、持ち主が亡くなった後、相続人が相続放棄をしたため、相続財産管理人として弁護士が専任されていました。
やっかいな事は、持ち主の死亡原因が「自殺」という事でした。

「自殺物件」を扱うというのはどこの不動産業者でも気が重くなる話です。
中には評判を気にしてパスする業者も多い事でしょう。
しかし、そんな仕事だからこそ逃げるわけにはいかない使命感のようなものが、当時の私を突き動かしていたような気がします。

まずは物件調査から始めました。
現地に行き室内や外回りを調査するのですが、室内は意外に綺麗で、恐れていた気持ちが多少なり緩和されたのを覚えています。
ところが問題は、外回りを調査していた時に起こりました。
2階部分のその部屋のバルコニー側を外から確認していた時の事です。
真下の1階の専用庭付きの部屋から、薄気味悪い身の毛がよだつようなぞっとした感触が私の体に走ったのです。
鳥肌は立ち、一瞬の身震いが起こりました。
気を取り直しその部屋を覗くと、室内はがらんとしており空家のようでした。
だから違和感を感じたのかは解りませんが、妙な気持ちのまま会社に戻り、気になったので賃貸や売買物件として出ていないか調べてみることにしました。
するとその1階の部屋は、数ヶ月前に競売にかけられていた事が判明しました。
つまりは1階と真上の2階の部屋が、そろって思わしくない運命をたどっていたのです。
まあ、そんな事もあるのかなと思いつつもその後、2階の部屋はなんとか買取り業者に引き受けてもらう事でとりあえずは解決しました。

それから数ヵ月後の事です。
競売情報を見ているとそのマンション名の記載がありました。
しかも「3階部分」と表記されているではありませんか。
「もしや」と思い号室を確認したところ・・・
的中でした。
なんと自殺物件の真上の部屋なのです。

そのマンションの横列は約20戸もある大型マンションです。
当時の時点でも幾つか競売にかかった部屋はありましたが、連続で縦並びの部屋が競売にかかったり、所有者が自殺したりする可能性は、なかなか少ないと思います。
さらに私の場合、現地での妙な体験もしていますので、「これは何かあるな」と感じずにはいられませんでした。
そして、それを裏付けるかのような出来事が、その1ヵ月後に起こりました。
またもや競売情報にそのマンション。
今度は6階部分。
恐る恐る号室を確認すると・・・
当然かの如く記載された同列の部屋。

ここまで来ると、ある意味確信的な気持ちになるというものです。
世の中には、人の目に見えない何かがあり、その行使は人の運命すら左右する力があるという事なのでしょう。
それが神であったり霊魂であったりするのかもしれません。
それにより人間の事件・事故・病気や自然災害が引き起こされるとすると、なんという無慈悲な悪戯なのでしょうか。
そういえば、未だに新築を建てる時は地鎮祭を行いますし、また風水の考えを大切にされるお客様もいます。
古の教えの中に、実は現代の科学では及びも付かない真実が隠されているのかもしれません。


追記
本マンション縦列は9階まであり、記載の部屋以外の部屋の登記簿謄本を調査したところ7階部分と9階部分において下記の事項が確認された。
・7階部分 平成18年4月所有権移転
・9階部分 平成22年2月所有権移転
7階部分は所有権移転前に差押登記が入っており、9階部分も任売による不動産買取業者への譲渡となっていた。何れも金銭的問題が背景にあるものと思われる。結論として本マンションの横列約20戸もある中で、特定の縦列9戸のうち6戸が、数年間の間で立て続けに競売・自殺等により名義変更している事が確認された・・・
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by toranomakik | 2011-07-22 12:28